フォレストレイク

研究内容

最近の研究

  1. キノコに含まれる生物活性分子の網羅的全合成と構造活性相関

  2. 紅藻類から単離された海産含臭素アセトゲニン類の全合成と構造決定

  3. 豊富な天然物を原料とする独創的医薬シード分子の合成

  4. 環境負荷の少ない有機合成手法の開発

酸化条件における4-メチルテトラヒドロピラン(4-MeTHP)の微量分解物と分解機構

4-MeTHPは近年開発された疎水性エーテル系溶媒であり、安定かつ回収再利用可能な反応溶媒として、工業的な製造プロセスでの活用も期待されています。本論文では、4-MeTHPを酸化剤と処理したときに起こりうる微量分解について、分解物や分解経路を明らかにしました。本研究成果は、高度な不純物分析が必要とされる原薬の製造プロセスなどにエーテル系溶媒を利用したときに役立つと期待できます。

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(CPME)および4-メチルテトラヒドロピラン(4-MeTHP)の基本有機化学特性と反応溶媒
としての応用

日本の企業が開発したリサイクル可能な疎水性エーテル系溶媒、CPMEと4-MeTHPの化学安定性、有機反応溶媒としての応用可能性、起こりうる分解経路などについてまとめた総合論文です。

ヘリセノンC−Hおよびその誘導体の全合成,構造訂正および神経細胞保護活性

ヘリセノン類は、抗認知症効果を示す食用キノコであるヤマブシタケの子実体に含まれる成分であり、神経細胞の活性化や保護効果が実験によって確認されています。私たちは、今まで達成されていなかったヘリセノンC, D, E, F, G, Hの初めての化学的全合成に成功しました。また、詳細に反応解析することによって、今まで3-ヒドロキシヘリセノンFと思われていた天然物の構造を、5員環エーテルを含む正しい構造(新たにヘリセノンZと命名)に訂正しました。合成した化合物の神経細胞保護効果を詳細に検討し、リノール酸エステルを含む人工誘導体に強い細胞保護効果があることを見出しました。以上の成果は、ヤマブシタケの生理機能の科学的な考察、ヘリセノン類の実用供給、生合成経路の解明、新規な神経細胞保護物質の創製などに役立つと期待できます。

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(+)-イソローレニディフィシンと(−)-ブロムローレニディフィシンの立体制御全合成

イソローレニディフィシンとブロムローレニディフィシンは紅藻より単離されたC15-アセトゲニンに分類される天然物であり、部分的に立体構造はわかっていたものの、その全容は解明されていませんでした。私たちは、双環性ブロモラクトンのエピメリ化-環縮小反応を鍵とする立体制御合成法を開発し、天然物の初の全合成に成功しました。不明であった絶対配置についても、最も可能性の高い立体配置を提案することができました。本研究の成果は、紅藻に含まれる多様な含臭素化合物の化学合成や構造決定に有益であり、微量成分の生物活性の解明や紅藻の資源活用につながると期待できます。

4-メチルテトラヒドロピラン:有機反応溶媒としての応用

4-メチルテトラヒドロピラン(4-MeTHP)は近年開発された疎水性環状エーテルであり、既存溶媒の代替溶媒となり得る可能性を秘めています。私たちは、4-MeTHPを広範な有機化学反応に応用し、その溶媒としての潜在力、優位性、短所などを明らかにしました。また、関連する2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeTHF)やテトラヒドロピラン(THP)とともに、ラジカル反応条件下での微量分解経路を特定しました。これらの基礎化学的な知見は、特に環境配慮が必要な大規模製造工程で溶媒を選択するときの重要な指針になると思われます。

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ヘリセンA−Cとその誘導体の全合成と小胞体ストレス抑制活性

ヘリセン類はヤマブシタケの子実体に含まれる成分であり、ヤマブシタケの様々な生理機能に関与していると考えられています。私たちは、ヘリセン類とその誘導体をいくつか合成し、小胞体ストレスに起因する細胞死の抑制活性について調べました。その結果、分子に含まれる脂肪鎖の位置や数が抑制活性に重要な影響を与えることを見出し、非天然型の分子(ヘリセンB位置異性体)が天然物より強い細胞死抑制活性をもつことを明らかにしました。

ステビオシドから(−)-トリプテリフォルディンと(−)-ネオトリプテリフォルディンの合成

ステビオシドは、天然甘味料として世界中で使われています。私たちは、光ラジカル反応によるラクトン化を鍵として、ステビオシドから抗HIV活性のあるトリプテリフォルディン類を短工程で合成しました。また、関連天然物であるドイアノテルペン類なども同時に合成しました。本研究成果は、ラクトン環をもつent-カウレン天然物のみならず、複雑な骨格を持つ医薬リード化合物の実用供給法の開発に有用と考えられます。

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シクロペンチルメチルエーテル(CPME)を溶媒とするGrignard反応

通常、実験室でGrignard反応はTHFやジエチルエーテルを溶媒として行われますが、工業スケールにそのまま応用するには,安全面やコスト面で課題があります。私たちは、工業用途への応用が見込まれるシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を溶媒とするGrignard反応を検討し、基質適用範囲やGrignard試薬の効率的な調製法を明らかにしました。さらに、CPME溶媒でのGrignard反応を用いて、鎮痛剤トラマドールや乳癌治療における抗エストロゲン剤タモキシフェンを合成しました。

立体特異的環縮小反応を特徴とする、ローレニディフィシンの可能な立体異性体の立体制御合成と(+)-アプリシアレンの形式全合成

紅藻由来の含臭素アセトゲニン類の一つであるローレニディフィシンに関して、可能な立体異性体の一つを全合成するとともに、未解明であった天然物の立体配置を提案しました。また、 (+)-アプリシアレンの全合成中間体の合成にも成功しました。立体特異的環縮小反応がビシクロ[3.3.0]オクタン骨格を有する双環性アセトゲニン類の合成に有効であることを実証しました。

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ヤマブシタケ子実体から単離された生物活性レゾルシノール類の体系的全合成:ヘリセノンA, B, I,ヘリセノールB-D,およびエリナセリンA, Bの全合成

ヤマブシタケ子実体から単離された8種類の天然物を、適切に官能基化されたゲラニルフタリドを共通中間体として体系的に全合成しました。このうち、ヘリセ ノンBに関しては報告構造の誤りを修正し、またヘリセノールCとDについては、それらがヘリセノールBの分解生成物であることを明らかにしました。

シクロペンチルメチルエーテル(CPME)のラジカル反応溶媒としての性能評価

CPMEは水と混和せず,毒性や引火性も低く,工業的利用が可能なエーテル溶剤として注目されていますが,有機合成反応溶媒としての利用はまだ多くはありません。私たちは,CPMEがラジカル付加反応や還元反応、あるいはラジカル反応を含むワンポット反応に適用できることを見出し,さらにラジカル条件におけるCPMEの微量分解経路を明らかにしました。

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植物生長調節作用をもつヘリセリンの全合成と構造訂正

ヤマブシタケ子実体から単離されたヘリセリンは,チャやマツの花粉管発芽生長阻害活性を示すため,農薬等のリード化合物として期待されています。独自の手法で合成したフタリド中間体からヘリセリンを全合成し,天然物の正しい構造を決定しました。

Oxy-Favorskii転位による双環性置換エーテル類の立体制御合成:コミュニオールE の
全合成

ハロラクトン化−αブロモ化−オキシFavorskii転位からなる連続的な立体制御により,双環性置換エーテル類の立体選択的な合成法を開発しました。以前に開発したラジカルヒドロキシメチル化反応を組み合わせて,コミュニオールEの全合成を達成しました。

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臭化銅(II)によるワンポット連続反応を
鍵とするヘリセンAの全合成

ヘリセノン類はヤマブシタケの活性成分として注目されており,今までに数多くの同族体が発見されています。これらの分子に共通なフタリド中間体を,臭化銅(II)によるワンポット連続反応により短段階で合成法し,同族体の一つであるヘリセンAの全合成に成功しました。

Acknowledgements

  • (株)クラレ

  • (株)福寿製薬

  • (株)日本ゼオン

  • (株)三菱化学技術研究センター及びエーピーアイコーポレーション