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生合成に着想を得たステロイド骨格のCD環を官能基化する酸素酸化:ガルガロールCと関連する酸化ステロールの合成と立体化学帰属

生合成に着想を得たステロイド骨格のCD環を官能基化する酸素酸化:ガルガロールCと関連する酸化ステロールの合成と立体化学帰属

菌類が産生するステロール類の構造が多様なのは、菌体内での酸化的な代謝によってステロイド骨格の各部位が酸化され、それに伴い様々な官能基変換や結合の切断・生成が起こっているためと考えられます。
私たちは、独自に考案したステロール類の生合成仮説に基づき、前例が殆どないステロイド骨格のCD環に酸素官能基を直接付与する方法を検討し、結果的にステロイド骨格の8位、9位、11位、14位、15位(いずれもCD環上)に水酸基を直接的に導入することに成功しました。
特にラジカル条件での酸素酸化では14位のみが選択的に酸化されることを見出し、酸素が導入される方向(立体化学)も完全に制御されることを発見しました。

一般にステロール類は炭素数が多く、構造も複雑であるため、母体生物から発見した科学者が、立体化学も含めて正確に化学構造を決定するのは容易ではありません。
今回の研究では、信頼できる合成手法によってCD環が酸化された様々な分子を供給し、その全ての構造を2次元核磁気共鳴や単結晶X線構造解析によって確実に決定しました。
特に議論の的となる第四級炭素中心(8位、9位、14位)の立体化学を完全決定し、その分光データを開示できたことは、今後、未知のステロール類の構造決定に必ず役立つと思われます。

さらに、CD環を酸化した分子から、アンニンコウやシイタケに含まれる酸化ステロール類を合成し、それらの立体構造を初めて明らかにしました。
合成分子の一つであるガルガロールCには破骨細胞の形成を阻害する活性が見出されており、今回の成果は、将来的な骨粗鬆症薬の開発にも役立つかもしれません。

私たちの研究は化学合成ですが、全体的には、分子の本質的な反応性に沿って、酸素や鉄イオンなどの生体内に存在し得る化学種を利用して化学変換をしており、本研究の成果は、未だ実証されていないステロール類の生合成経路の解明にも貢献するものです。

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